にじたまのストーリー
「子供にフェルトおままごと」を作ってあげようと思ったことがきっかけです。そのときはネットで調べて型紙をダウンロードして作っていました。
型紙や作り方をパソコンで検索しているうちに「羊毛フェルト」に出会いました。
「フェルト」って書いてるけど「羊毛フェルト」っていう手芸もあるんだ!と興味を持った私は早速ヤフーオークションで羊毛とニードルのセットを買いました。
よくやり方がわからないものの、ちくちくしていくとふわふわのものがかたくなってボール状になっていくのに感動した覚えがあります。
2005年ごろはまだ羊毛フェルトはあまり知られていなかったので図書館で探しても本は少なくて、あっても石鹸水で羊毛をごしごしして作る「水フェルト」ばかりでした。
「水フェルト」も少しやってみましたがちょっと私には合いませんでした。
ニードルフェルトのことを知るにはネットしかなかったので、当時羊毛フェルトをやっていた作家さんやメーカーなどのサイトを参考に作っていました。
当然羊毛フェルトの作品やフェルトボールなども見たことがなく、よくわからないまま独学でやってみるしかありませんでした。
このころ同時に、自宅でできる仕事はないだろうかと考えていました。子供がまだ小さかったのでパートで働くこともできないけれど、専業主婦で社会に置いて行かれているみたいなのがすごく嫌でした。なにかしら自分の存在意義のようなものが欲しかったのです。
そのときにちょうど先ほども描いたように「ハンドメイド」そのなかでも「羊毛フェルト」を知り、ヤフオクで作品を売っている人がいるのを見てまだ簡単なものしか作れないにもかかわらず、ヤフーオークションで作品の販売を始めてしまいました。行動が早い!(笑)
その後、羊毛フェルト(ニードルフェルト)が人気の手芸になり、たくさんの本も出版されるようになり、あちこちの展示などで羊毛フェルトの作品を見ることが増えました。
私もいくつかの書籍に作品を掲載していただいたり、百貨店のイベントなどに参加する機会も多くいただくことができました。
Creemaなどでのネット販売でもたくさんの作品が旅立ち、なかでもウェルカムドールは私にもたくさんの幸せを届けてくれました。
「どのように作品を思いつくのですか?」とよく聞かれます。
私は特に資格もなく、デザインやアートの勉強をしたこともありません。
独学ですがいろんなものを見たり調べたりしながら頭の中に浮かんだものを可愛く作れるように自分なりにデザインしています。
作家活動の中で一番大変だったのは、百貨店でのポップアップショップでした。
羊毛フェルトは制作にとても時間がかかります。1週間で販売するたくさんの作品を用意し、タグをつけたり出店の準備をし、1週間2時間くらいかけてその百貨店へ通い、帰ってきたら夜の9時くらいでした。
体がガチガチになってしまうくらい大変な出店でしたが、一緒に出店していた方々、手伝ってくれた友達、見に来てくれた方々のおかげでなんとか乗り切れたのを覚えています。
でも、もう多分このようなことはしません(笑)
途中、夫がリストラされ再就職までごちゃごちゃしたり、子供の大学への学費が恐ろしくかかることから「やっぱりパートに出たほうが安定した収入が入る」と考え、フルタイムパートに。フルタイムで働いていたらぜんぜん作品なんて作れず、まったく羊毛に触れない日々もありました。すっかり開店休業状態の作家になってしまいました。
でも、「講師」の仕事はあまり負担が大きくなかったためその間も続けることができました。そのおかげでほんのわずか羊毛フェルトとつながっていられました。
いくつかパート先を変えつつ働いてきましたが、やっぱり「自分のやりたいことをやっていきたい」という気持ちが大きくなりました。
今やりたいことをやろうじゃないか!と。
さて「講師」として、いったいいつから人に教えてきたのか、というと子供が幼稚園年中の時ですから2011年の秋だったんだと思います。
とあるきっかけで、羊毛フェルトを人に教える機会をいただきました。
はじめはどうやって教えたらいいのか…試行錯誤でしたし、なかなかうまく教えることができなかったと思います。
経験値が増えていくうちに「初心者さんはどういうところが難しいと感じるのか」「どうしたらうまくできるようになるのか」「どう伝えたらわかりやすいか」などを考え、実行してまた反省して次に活かす、ということを繰り返してきました。
その経験をもとに現在もレッスンや動画配信、ブログ執筆などを通して、羊毛フェルトの初心者さんが楽しく上達できるようなコツや作り方をお伝えしています。
先日も「ひとり時間、羊毛フェルトが熱中できる趣味になりました。」という嬉しい言葉をいただきました。
これからも羊毛フェルトに興味があるけどなかなかうまくできない人が、かわいい作品を作れるようになって、楽しくて夢中になれる趣味になるように教えていきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました♪